メルカリで詐欺罪は適用される?虚偽表示や商品が届かない場合への対処法

メルカリで詐欺罪は適用される?虚偽表示や商品が届かない場合への対処法

フリマアプリ「メルカリ」の利用者の中には、詐欺師や悪徳業者が紛れ込んでいる可能性があります。

そして仮に詐欺に遭ってしまった場合、取引が完了した後は返金を要求しづらく、泣き寝入りせざるを得ない方が多いことも事実です。

フリマアプリを通した詐欺やトラブルの事例と、商品が届かない・希望と違う商品が届いた場合の対応などについて、分かりやすくまとめました。

この記事を読むと分かること

・メルカリで詐欺罪が適用される条件
・メルカリを使った詐欺の手口
・商品が届かない、または異なる商品が届いた場合の対応
・メルカリで詐欺に遭った場合の対処法

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メルカリで詐欺罪が適用されるのはどんなとき?

メルカリで詐欺罪が適用されるのはどんなとき?

「メルカリ」上の取引に詐欺罪が適用されるのは、どういった場合なのでしょうか。

まずは詐欺が成立する条件について、簡単に解説していきます。

売り手が故意に買い手を騙し、商品を購入させた場合

刑法が定める「詐欺」とは、下記です。

  • 人を欺いて財物を交付させること
  • 財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させること

参考元:刑法 第二百四十六条(詐欺)

これをメルカリ上の取引に言い換えるのであれば、「売り手が故意に買い手を騙し、想定と違う商品を購入させること」だと言ってよいでしょう。

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例えば「ブランドバッグを購入したのに、届いた商品は写真とは似ても似つかない偽物だった」という場合には、詐欺が成立しえます。

売り手が利益を得ている(取引が完了している)ことも詐欺の条件

詐欺が成立するためには、何らかの形で相手方が利益を得ている必要があります。

メルカリの場合、購入者が支払ったお金は「受取評価の完了後」に販売者に支払われます。

そのため受取評価をする前に商品の異変などに気付き、返金要求などを行った場合、詐欺は成立しません。

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上のブランドバッグの例の場合、購入者が到着後に異変に気付き、取引のキャンセルを要求すれば、一度支払った代金は返金されます

メルカリ詐欺の具体的な手口

メルカリ詐欺の具体的な手口

メルカリを通して行われる詐欺には、どういった手口があるのでしょうか。実際の事例をもとに解説します。

商品の到着・確認前に受取評価を要求する

メルカリを使った詐欺の典型例として挙げられるのが、何らかの形で「商品を確認する前に受取評価を要求する」というものです。

先述の通り、メルカリ上の取引で販売者に売上金が振り込まれるのは「受取評価の完了後」です。

さらに受取評価が確定した後は、評価を変えたり取引をキャンセルしたりすることが不可能となります。

取引完了後は、取引キャンセルができない仕組みのため、受取評価は絶対に行わないでください。

引用元:メルカリ公式サイト
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「事情があって早くお金が必要」といったメッセージが届いても、商品を確認するまで受取評価を行わないようお気を付けください。

仮に商品の確認前に受取評価を行うと、「そもそも商品が発送されなかった」「想定と違う商品が届いた」という場合に、メルカリを通した返金要求がほぼ不可能となります。

メルカリではなく外部のサービスや銀行振込を使った取引を要求する

メルカリは原則として、「買い手が商品を確認し、受取評価後を行った後に売上金が届く」という仕組みを取っているため、詐欺が成立しづらいサービスです。

そのため詐欺の手口によっては、何らかの理由でメルカリを通さない取引を要求する場合があります。

フリマアプリで商品を購入したところ、商品代金を出品者の銀行口座に振り込むように持ちかけられ、振り込んだが商品が届かない

引用元:独立行政法人 国民生活センター公式サイト

何らかの理由をつけて「銀行振込」「電子マネーを使った送金」などを要求された場合には、注意が必要と言えるでしょう。

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メルカリで買った商品が届かない・異なる商品が届いた場合の対応について

メルカリで買った商品が届かない・異なる商品が届いた場合の対応について

メルカリで購入した商品がなかなか届かなかったり、想定と異なる商品が届いたりした場合にはどうすればよいのでしょうか。

フリマアプリ上で考えられるトラブルと、その対処法について解説します。

絶対に受取評価を行わないこと

メルカリでトラブルが発生した際には、問題が解決するまで「受取評価を行わない」ようご注意ください。

受取評価さえ完了していなければ、返品や返金の要求が可能です。

一方で受取評価が完了してしまうと商品の状態や到着の有無にかかわらず、メルカリを通した返金の要求が難しくなります。

なかなか商品が届かない場合には配送会社などへの問い合わせも有効

「購入した商品がなかなか届かない」という場合には、売り手に追跡番号を尋ね、運送会社の公式サービスなどを使って「商品の追跡」を行うのも良いでしょう。

また追跡番号が分からない場合であっても、運送会社に問い合わせることで、荷物の所在が判明する場合もあります。

取引のキャンセルや返品により支払ったお金は返還される

何らかの理由で取引をキャンセルする(返品・返金を行う)場合には、メルカリの取引画面内の「この取引をキャンセルする」ボタンから手続きを行いましょう。

  • 商品がなかなか届かない
  • 届いた商品が壊れていた
  • 届いた商品がイメージと違った

上記の場合には、双方の合意の上で取引をキャンセルすることができます。

返品が必要な場合の送料の負担は、話し合いの上で決めなければなりません。

「商品が壊れていた」など売り手に問題がある場合には売り手が、そうでない場合には買い手が送料を負担することが一般的です。

出品者と連絡が取れない場合にはメルカリ事務局へ問い合わせを

  • 出品者と連絡が取れず、取引のキャンセルが成立しない
  • 出品者がキャンセルに応じてくれない

という場合には、メルカリの事務局へ問い合わせを行う必要があります。

メルカリのアプリ、もしくは公式サイトの問い合わせ窓口より、現在の状況をお伝えください。

参考:メルカリ公式サイト「お問い合わせはこちら」

泣き寝入りするしかない?詐欺罪に問えないトラブルの例

泣き寝入りするしかない?詐欺罪に問えないトラブルの例

何らかの理由で損害を受けた場合でも、相手方を詐欺罪に問えない事例は少なくありません。

ここからは、そんな損害回復が難しいトラブルの例について解説します。

メール便が無事に届かなかった場合

配送方法が「メール便」であった場合、原則として補償が付きません

仮に運送会社が荷物を紛失したり、到着した荷物が誰かに盗難された場合であっても補償を受けることは困難です。

一方で配送方法が「らくらくメルカリ便」や通常の宅配便であった場合には、仮に紛失や運送過程での破損が生じても、損失額の補償を受けられます。

メルカリや運送会社の公式情報に従い、手続きを行いましょう。

参考:メルカリ公式サイト「商品が配送中に破損して届いた(メルカリ便)」

相手方の故意(人を騙す意志)を証明できない場合

詐欺を立証するには相手方の故意、つまり「意図的に人を騙したこと」を証明しなければなりません。

  • 相手方が故意に、事実と異なる情報などを伝えたわけではない
    (商品の破損に気付いていなかったなど)
  • 人を騙す意志があったことを、やりとりの記録などから証明できない

という場合、詐欺罪が適用されることはないでしょう。特に「泣き寝入り」となってしまいやすいのは、後者の例です。

メルカリで詐欺に遭ったらどうすればいい?

メルカリで詐欺に遭ったらどうすればいい?

「商品を確認する前に受取評価をしてしまった」「出品者の口座に直接お金を振り込んだところ、商品が届かない」という場合、どのように対応すればよいのでしょうか?

考えられる相談先について解説します。

消費者ホットラインなら電話で簡単に相談できる

詐欺や悪質な取引などに関する窓口として、第一に挙げられるのが「消費者ホットライン」です。

「188」番に電話を掛けることで、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口への案内を受けることができるでしょう。

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電話相談には「ナビダイヤル」の通話料金が発生します。

悪質で常習性があるものなら警察が動く可能性も

悪質で常習性があると認められた場合には、詐欺などの罪の疑いで警察が動く可能性もあります。

具体的な例としては、偽ブランド品の大量生産・販売などが挙げられます。

泣き寝入りを避けたいなら弁護士への相談も一考

「受取評価後に詐欺に気づいた」という場合、メルカリ側での対応は困難なものの、民事訴訟などを通して損害を回復できる可能性があります。

被害額が大きい場合には、詐欺や消費者被害に強い弁護士に相談を行うのも良いでしょう。

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この場合にはメルカリ上の取引の記録などを、すべて保存しておくことをおすすめします。

まとめ:メルカリ上の詐欺やトラブルへの対処法について

まとめ:メルカリ上の詐欺やトラブルへの対処法について

「買い手が届いた商品を確認した後に、売上金が振り込まれる」というシステム上、メルカリは詐欺が成立しづらいサービスです。

その一方、いったん受取評価を行ってしまうと、返金を要求することが非常に困難となってしまいます。

メルカリ上でのトラブルを避けるためには、「必ず商品が到着し、内容を確認した上で受取評価を行う」ことを徹底しましょう。

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